2013年06月15日

ゲンジボタルの飼育方法

1 成虫採取  
  ゲンジボタル発生最盛期を過ぎ、ほとんどの個体の交尾が終わる5月末ごろ、文化庁の許可を得て、一の坂川の雌の成虫を約90〜100匹くらい採取します。ホタルは羽化して地上に出るとすぐに交尾しますが、念のため雄も数匹採取しておきます。雌は発生数が少なく、期間も限られているので、数回採取に出かけなければ数を満たすことができないこともあります。


2 産卵(採卵)  

  hotaru02.jpg採取してきた雌は、飼育箱に入れ、バットの中のミズゴケの上にとまらせ、産卵を待ちます。ミズゴケは、山野に生えているものがよく、根元の部分を切り取って除き、先端部を揃えてバット内に立てるようにして並べます。バットの中に水を少し入れ、ミズゴケに時々水をスプレーし保湿に気をつけます。直射日光は厳禁。採取した日からミズゴケや飼育箱の金網に卵を産み始めます。産卵を終えて死亡した成虫はその都度取り除き、「ホタル塚」に埋葬します。飼育箱に収容して約1週間程度で産卵を終えます。


3 孵化(ふか)  

  hotaru01.jpgバットの底に水を深さ1p程度入れ、その上に卵を産み付けたミズゴケの入った角ざるを載せます。ミズゴケが乾燥すると孵化が悪くなるので、スプレーで水をこまめに補給し、上からビニールをかぶせておきます。
25日ぐらいたつと孵化し始めます。


4 幼虫の飼育  
  ミズゴケにある卵から孵化した幼虫は、バット内の水面に落ちるので、これを毎日スポイドでとって数を確かめながら飼育用の水槽に移し飼育を始めます。幼虫の飼育数は大型水槽(30×40×2cm)1個あたり約300〜500個体の密度が適当です。

〔飼育用水槽‥‥‥二重水槽〕
水槽の底にきれいに洗った小砂を3〜5cmの厚さに入れ、砂の上に平たい石か黒がわらの破片を置き、水を10〜15cm入れます。
エアーポンプを取り付け、酸素を送ります。
水槽内の水の温度を上昇させないために、大きな水槽に水を張り幼虫飼育用水槽をその中に入れ、二重水槽とします。水槽の水温が25度以上になると幼虫は摂食しなくなるので、20〜22度前後に水温を保つように、特に高温になりやすい7〜8月は大きな水槽の井戸水を還流、オーバーフローさせ温度調節をします。冷房装置のある部屋では、二重水槽にする必要はありません。また、水槽内の水もホタルの幼虫やカワニナの排泄物等で汚れるので、10日に一度は水を換え、水質にも気をつけます。井戸水などのきれいな水を使うようにします。


5 給餌   
  餌hotaru03.jpgはカワニナをやります。前もってカワニナの稚貝を水槽内に入れておきます。カワニナの飼育も行います。一の坂川で採取したカワニナを水をいれた水槽に入れ、レタスやキャベツ等を与えて育てます。6月中旬頃より稚貝が産まれるので、生まれたての小さい幼虫に与えます。幼虫の成長に従ってカワニナの大きさを変えていきます。幼虫期の1匹は、約23〜28個のカワニナを摂食します。

・若令幼虫‥‥集団となってカワニナの稚貝を摂食します。
・中令幼虫‥‥数匹で餌を摂食することが多い。
・老熟幼虫‥‥単独で摂食する個体が多い。

カワニナの中には、水生菌などに侵されてかび状となって死亡するものもいるのでかび状のカワニナや、幼虫が摂食した殻などはたえず取り出して捨てないと、水が汚染されるので十分注意します。


 ☆ カワニナ採取は、7月から夏休みにかけて大殿小学校児童や大殿各地区子ども会にも協力を得ています。


6 放流   
  horyu04.jpg10月中旬に「ゲンジボタル放流の集い」を行い、大きくなった幼虫を大殿小学校児童と共に一の坂川に放流します。

※放流の時の留意点
 1 できるだけ広い範囲に放流する。
 2 水槽に少し水を入れて、静かに放流する。
 3 水槽に水を何回か入れて、砂をきれいに落とす。
 4 放流した後、その下手をできるだけ踏まないようにする。
 5 放流がすんだら、すみやかに川を離れる。
 6 水槽は、来年も使用できるようにていねいに扱う。

posted by 伝承センター at 15:55| ホタルの保護飼育